トライボロジー

トライボロジー(Tribology)とは、「相対運動を行いながら相互作用を及ぼしあう表面およびそれに関する実際問題の科学と技術」と定義され、1966年に H.P.Jost(英)が,ギリシャ語のTribos(摩擦する)+logy(学問)からつくりだした言葉です。

金属、セラミックス、プラスチックなどのバルク材、溶射、めっき、肉盛、薄膜コーティングなどの表面処理材、その他多くの材料・表面技術に関する、摩擦、摩耗、潤滑などの諸現象を対象とする工学分野です。

表面・接触

固体表面には、粗さやうねりが存在するため、平面同士の接触であっても、図1に示すような突起同士の接触になります。真実接触面積は、見かけの接触面積の1/10~1/1000程度とかなり小さく、見かけの接触面積(A0)よりも真実接触面積(Ar)が重要です。

表面性状(形状,粗さ)を評価するパラメータは、JIS B 0601: 2001に規定されており、算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzなどがよく用いられています。JISの規定は断面で評価する二次元パラメータです。

表面をより詳細に評価するためには、非接触式三次元表面性状計測装置を用いて、三次元表面性状(形状、粗さ)、三次元表面性状パラメータを求め、解析します。

  • 実際の平面同士の接触の模式図

    図1.実際の平面同士の接触の模式図

摩擦

摩擦については、Amonton-Coulombの法則が知られています。

  1. 摩擦力は摩擦面に作用する垂直荷重に比例し、見かけの接触面積(A0)には比例しない。
  2. 摩擦力は滑り速度に無関係である。

Amonton-Coulombの法則は、通常の実用摩擦条件ではほぼ成り立ちますが、表面状態や摩擦条件によっては成り立たない場合もあります。

  • 摩擦力と垂直荷重

    図2.摩擦力と垂直荷重

摩擦係数μは、定義及び真実接触点を考慮すると、(1)式で与えられます。摩擦係数の範囲は、0~∞になります。

μ= F / P = s / pm(1)

ここに、

F:摩擦力

P:垂直荷重

s(=F/Ar):真実接触点のせん断強さ

pm(=P/Ar):固体の塑性流動圧力

摩擦係数は、引張り強さのような材料の物性値ではありませんので、材料組合せ、使用条件を考慮した摩擦試験により測定することが必要です。摩擦の形態は、滑り摩擦と転がり摩擦に大別できます。転がり摩擦係数は、滑り摩擦係数の1/20程度と低く、摩擦係数が問題となるのは、主に滑り摩擦です。

摩擦係数を測定するためには、材料の組合せ(試験材と相手材)、使用条件(荷重、滑り速度、潤滑有無等)等を考慮して適切な試験方法、試験条件を選択します。種々の摩擦摩耗試験の例を下に示します。

滑り摩擦係数の代表的な試験方法は、点接触のため比較的データのばらつきが小さい、ボール-プレート往復動摩擦試験です。

摩耗

摩擦の結果として、摩耗が起こります。摩擦と摩耗は表裏一体の関係にありますが、それぞれは独立した現象で、摩擦係数が高いからといって摩耗量も大きいということはありません。

摩耗の分類は、摩耗形式(滑り摩耗、転がり摩耗、他)×摩耗形態(凝着摩耗、アブレシブ摩耗、疲労摩耗、エロージョン、他)×摩耗程度(マイルド、シビア)×摩耗面(凝着、焼付、酸化、腐食、ピッチング、フレーキング、他)等がいろいろあります。

摩耗試験の名称は、下記に示すように、摩耗形式または摩耗形態で呼ぶのが一般的です。

摩耗試験は、摩擦試験と同様に、摩耗形式、材料組合せ(試験材と相手材)、使用条件(摩耗荷重、滑り速度、潤滑有無等)等を考慮して適切な試験方法、試験条件を選択します。

種々の摩擦摩耗試験方法-試験可能な実例

当社は種々の条件で、摩擦、磨耗の試験ならびに解析を行うことができます。

また、お客様の特有の条件で試験が可能な試験装置のエンジニアリングも行います。

  • 滑り(プレート往復動)

    滑り(プレート往復動)

  • 滑り(ディスク回転)

    滑り(ディスク回転)

  • 滑り(円筒-ブロック)

    滑り(円筒-ブロック)

  • 転がり-滑り(2円筒)

    転がり-滑り(2円筒)

  • アブレシブ摩耗

    アブレシブ摩耗

  • エロージョン

    エロージョン

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